伝統

縁起の良い吉祥文様【青海波】の歴史や意味と派生種類について

日本の伝統的な文様の一つに、青海波文様(せいがいはもんよう)というものがあります。

 

形の特徴としては、半円形を重ねたものを鱗状に並べることで「波」を表しいてる、割付文様のひとつとなります。

 

着物や日本の生地の柄によく使われていて、日常的に街中ではあまり見たことはありませんが、それでもこの青海波文様は「どこかで見たことがある!」と言える柄であることは間違いないでしょう。

 

私達が普段目にする可能性があるとすれば、畳のヘリの部分であったり、古風的にオシャレな財布の柄やマグカップの柄とかだったりします。

 

今回はそんな「青海波」文様について。

 

歴史と日本への伝来

この青海波文様は「ササン朝ペルシャ(226-651年)」で生まれたものがシルクロードを経て中国に伝わり、中国から飛鳥時代の日本に伝わったとされています。

 

日本古来というよりは、日本に伝わったものという感じですね。

 

そして飛鳥時代の埴輪(はにわ)に青海波が描かれたものが発見されているが、日本で「水」を意味する文様として描かれるようになるのは鎌倉時代の古瀬戸からです。

 

平安時代の雅楽の舞曲に「青海波」というものがあり源氏物語の主人公・光源氏が舞うことでもよく知られています。

 

その舞人の衣装に「波」文様があったことからこう呼ばれることになったといわれているのですが、この文様が現在の青海波と同じものであるかどうかは定かにはなっていません。

 

江戸時代の中期に【勘七(かんしち)】という漆工が粘ちょうな漆と特殊な刷毛を用いて青海波を巧みに描いたことで、世間では彼を「青海勘七(せいかいかんしち)」と呼び、この文様が工芸品に施す細工として広く普及したといわれています。

 

青海波の派生種類

青海波文様にはいくつかのバリエーションが存在しています。

 

ほかの文様でも言えることですが、ベースは同じでもわずかな違いがあってそれがしっかりと一つの個性を出している。個人的にはこの種類があることはとても面白いかなと思っています。

 

その代表的な物としては、

①青海波を敷き詰めずにところどころ破れ模様になっている「破れ青海波文(やぶれせいがいはもん)」

引用 https://store.shopping.yahoo.co.jp/kochaya/400244.html#

 

②青海波の形を花でかたどった「花青海波文(はなせいがいはもん)」

引用 http://kross-design.blogspot.com/p/blog-page_3127.html

 

③紅葉が水面に散った流れを青海波であらわした「青海波紅葉文(せいがいはもみじもん)」

引用 https://www.creema.jp/item/6245941/detail

 

④菊の花を並べて青海波に見立てた「菊青海波文(きくせいがいはもん)」

 

などがあります。

 

青海波文様の意味(願い)

青海波文様は「無限に広がる穏やかな波に未来永劫と、平和な暮らしへの願い」が込められており吉祥文様(きっしょうもんよう)のひとつでもあります。

 

吉祥文様とは、縁起がいいとされている動植物や物などを描いた図柄のことを言って、中国文化圏を中心にアジアで広く好まれているものが多いです。

 

多くのものは晴れ着や宴会などの調度品にあしらわれ、悪いこと(凶事)には使われないものです。

 

この青海波文様はとても縁起の良い文様の一つとして親しまれているので、手元に一つ置いていると何か良い気分でいられそうです。

 

意味を知って持っているのと、知らないで持っているのとでは日々の感じ方も違いますし、もちろん昔から良いと言われているものを持っていたり使ったりしていると気分も良いです。

 

財布やマグカップなど身近に置いておいて、誰かと話す時に良い話題の一つになるのではないかとも思います。

 

それでは今回はここまです。最後まで見て頂きありがとうございました。

ドン舞い神楽ちゃん